地域の組織変革を推進する「あいしずHR」第10回ワークショップを開催しました

今回は2025年8月28日にemCAMPUS STUDIOで開催された、豊橋市を中心に活動する地域の読書会「あいしずHR」の第10回ワークショップの様子をご紹介します。
あいしずHRとは
「あいしずHR」は、愛知県・静岡県の企業を中心に、組織のカルチャーシフト、マインドシフト、マネジメントシフトを実現し、地域で「健全な組織のバリューサイクル」を実践する企業を増やし、人々がやりがいを感じられる地域づくりを目指しています。組織変革に関する書籍を中心に課題図書を用意して読書会を定期的に開催しており、テーマに沿った意見交換や議論を通して、参加者同士のゆるやかなネットワークをつくっています。読書会をきっかけに組織や地域を良くする具体的な動きがいくつも生まれてきています!!
ビジョン・ミッション・バリュー
「あいしずHR」の野望・使命・信念は以下のとおり。
ビジョン(野望) … 愛知県・静岡県エリアに、やりがいのある新たな仕事や活躍の場を創出する
ミッション(使命) … 愛知県・静岡県の地域のカルチャーシフト、マインドシフト、マネジメントシフト(またはパフォーマンスシフト)を実現する
バリュー(信念) … 未来志向の人材が正しく活躍し成果を出せる新たな「組織」や「場」を創出・健全な問題意識や成長意欲を持つ地域人材をエンパワーする
今回のテーマ:「中二階の原理」
さて、第10回となる今回のワークショップのテーマは、日本の経営学者であり、豊橋市ご出身でもある伊丹敬之氏の著書『中二階の原理』です。社会や組織を「二階建ての家」にたとえ、理想やルールといった「二階」と、現場の現実である「一階」のズレを調整する特別な工夫「中二階」の重要性を説く一冊です。参加者の皆さんは、この本を通して、日本社会や組織に脈々と受け継がれてきたさまざまな「中二階」について深く考えました。
ワークショップでは、いくつかのチームに分かれて課題図書の内容についてチームディスカッションを行いました。「あなたの心を捉えた中二階はなに?」という問いかけからスタートし、「二階」「一階」の狭間で悩んだ経験や、身近にある「中二階」の具体例、そして「中二階」的なアクションについて意見を交換しました。


つづく全体ディスカッションでは、参加者の皆さんからさまざまな意見が飛び交い、和やかで活気ある時間となりました。会社の規模によって考え方が異なる場面や、キャリア採用や副業などの外部人材が「中二階」を担う役割についての話題も出るなど、自由で創造性あふれる意見が飛び交う雰囲気が印象的でした。「企業向けの顧問活動こそ中二階的なものかもしれない」というユニークな視点もあり、それぞれの気づきや実例が自然に共有されました。
また、「日本の組織とDXに『中二階』は必要か?」というテーマでは、DX推進における情報システム部門が、成果を急ぐ経営層と、動きの遅い現場の間で、情報や感情をつなぐ「中二階的な存在」であるという考えが紹介されました。特に、この中二階が「沈黙の抵抗」を乗り越えて情報と感情をつなぐ役割を担うことの重要性に、多くの参加者が共感していました。


こうして、多様な意見や気づきが交わされたディスカッションは、「中二階」の意味や可能性を改めて考えるきっかけとなる示唆に富んだ場になりました。
今回のワークショップを通して、参加者のみなさんそれぞれが、日本の組織や社会を支える「中二階」の存在を再認識し、自身の職場や地域に活かすヒントを得られたようです。参加者の皆さんの熱心な議論は心を惹きつけられるものでした。

今回のワークショップでは、「中二階の原理」というテーマを通じて、組織や地域を活性化するためのヒントを探りました。この「あいしずHR」発起人のひとりでもある沢渡あまねさんのnoteでは、組織運営や働き方に関する幅広い視点から、私たちがより良い仕事や組織のあり方を考える上で重要な示唆を与えてくれます。今回の読書体験と合わせて、ぜひ沢渡さんのnoteにも触れてみてください。
emCAMPUS STUDIOは、今後も「あいしずHR」の活動に関わっていきます!