東三河の生産者を知る!第1弾 鈴木農園/鈴木教広氏 インタビュー

emCAMPUSと関わりの深い生産者さんへのインタビュー企画第1弾は、鈴木農園の鈴木教広さんです!
鈴木さんはトマトとメロンを主に生産しており、農民藝術創造俱楽部メンバーであり、本年度、豊橋百儂人の代表も務めています。
田原の圃場にお邪魔し、鈴木さんのこだわりや挑戦について伺いました。

Q.トマトを作るにあたってのこだわりを教えてください。

まずは、なんといっても土へのこだわりですね。近年は養液栽培で効率よくトマトを栽培することもできますが、土のほうが絶対に美味しいと思っています。
確かに糖度の高いトマトを目指す際は養液栽培のほうが効率のいい事例もありますが、実際人間の舌では水っぽく甘みを感じにくい場合があります。その点、土で栽培するとトマト本来の酸味や風味が強くなるため、糖度以上の甘味を感じることができます。
さらに、肥料は幹の太さや経験値から土壌診断の結果よりも量を抑えて与えています。その代わりに、もみ殻や井草等を敷き詰め、保肥力を持った土づくりを目指しています。

次にこだわっているポイントとしては如何に美味い状態でお客さまに届けるかです。
実はトマトの旬は2回あります。トマトは、積算温度によって成長の速度が変わる植物であり、900~1,000℃が収穫の目安です。例えば30℃の日が30日続けば収穫できるまでに成長するということです。
そのような理由から、トマトは夏に美味しいというイメージが先行していますが、実は春にも美味しさのピークがあります。冬から春にかけてじっくりと成長したトマトは、うまみをしっかり蓄えた、甘みと酸味が強いトマトになるのです。
また果肉を引き締めるために与える水の量をギリギリまで絞ります。土がひび割れて、空気中の水分をも接種しようと産毛が立つぐらいに調整し、収穫しています。

Q.商品化にも積極的に挑戦していると伺っています。詳しく教えてください。

加工品としては、塩6種、ケチャップ2種、トマトフランク、冷凍のラザニア餃子、ジャム、テリーヌ、等数多く手掛けています。
商品化するメリットとしては、お客さまに私たちのトマトを知ってもらえる新たなタッチポイントになるためです。
最近挑戦しているのはトマトを使った和菓子です。私たちのお客さまは昔ながらの、トマト本来の味を求めている年配層のお客さんが多くを占めています。我々のメインのお客さまには洋菓子よりも和菓子のほうがマッチしている考えています。また、いちご大福があるのであれば、酸味もうま味もあるトマトも和菓子と合うと確信しています。近々皆様に報告できるよう取り組んでいますので、楽しみにしていてください。

Q.今後の展望を教えてください

まず、農民藝術創造俱楽部としては屋上農園のプランターで冬瓜とかぼちゃなどの地這いの植物にチャレンジしたいと考えています。emCAMPUSの屋上という風の強い環境にも地這いの作物であれば適応できるのではないかと考えています。プランターからはみ出す地這いの植物。屋上でできたら目立つのではないでしょうか。
鈴木農園としては、今まで育てていなかった品種、具体的に言うと、設楽で多く栽培されているルネッサンストマトの栽培にチャレンジしたいと考えています。

プランター写真

インタビューを通して

生産者さんインタビュー企画第1弾は鈴木農園の鈴木教広さんにお話しを伺いました。
インタビューを通して、常にトマトに向き合い、どうしたらよりおいしいトマトをお客さまに届けられるのかを真摯に向き合っているという印象を受けました。
インタビュー終盤に鈴木さんからこんな言葉がぽろっと出てきました。
「結局1年に1回しか勉強できない。30年やっているからまだ30回しか試せていない。」
30年の年月を「しか」と表現することに驚くと同時に、農業の奥深さ、鈴木さんの常にPDCAを回し続ける姿勢がこの言葉に凝縮されていると感じました。

ちなみに誰よりもトマトに向き合っている鈴木さんに、トマトの一番美味しい食べ方を伺ったところ、生なら、オリーブオイル+ハーブソルト。加熱なら、トマトを厚めに切って、ハーブソルト、スライスチーズをのせ、蓋をして蒸し焼きにした、焼きカプレーゼとのこと。
鈴木農園さん特性のハーブソルトはemCAMPUS FOODのMARKETにて取り扱っているので是非チェックしてみてください!

ハーブソルト