『144人のクリエイターと豊橋の職人がつくる100年前掛け in 豊橋』開催!

9月23日(金・祝)から10月16日(日)まで、emCAMPUS まちなか図書館アートスペースと1階のエントランスにて、『144人のクリエイターと豊橋の職人がつくる100年前掛け in 豊橋』が開催されています。初日の23日にはギャラリートークも行われました。

「前掛け」とは?

酒屋や米屋などで見かける前掛けは、正式には「帆前掛け」といい、その起源は諸説ありますが、室町時代までさかのぼるともいわれています。体の前に掛ける(垂らす)ことから、「前掛け」「前垂れ」と呼ばれ、日本の伝統的な仕事着として今も使われ続けています。

前掛けの産地である豊橋市では、1950~70年代、多い時には1日に1万枚が出荷された時期もあったそうです。日本の経済成長とともに、酒蔵や米屋、味噌屋、醤油屋などさまざまな業種で社名や店の屋号、商品名などが入った前掛けがつくられ、全国に広がりました。

前掛けは、ひもを腰でしっかりと締めて使うため、重いものを運ぶ時に腰を支えたり、肩に前掛けを当てて木箱などの重い荷物を担いだりなど、働く人の体を衝撃から守るミニマムな仕事着として、また、生地に染め抜きを施すことで広告宣伝媒体やユニフォームとして活用されている実用的なアイテムといえます。

『144人のクリエイターと豊橋の職人がつくる100年前掛け in豊橋』とは?

今回の展示では、豊橋市の職人が約100年前のシャトル織機を使って織り上げた生地に、144人のクリエイターの個性豊かなデザインを染め抜いたオリジナルの前掛けを展示しています。これは、2021年12月に株式会社リクルートホールディングスが運営する2つのギャラリー、クリエイションギャラリーG8とガーディアン・ガーデンで開催されたCreation Project 2021の前掛けで、今回この全作品を、前掛けの産地、豊橋で紹介するものです。

あわせて、8月にプレイベントとして開催した、子ども向けの前掛けデザインワークショップ「前掛けをデザインしよう!!」で子どもたちがデザインした前掛け18点も展示しています。子どもたちの豊かな想像力とのびのびした表現力を是非ご覧ください。

イベントレポート

初日の23日には、11時からと15時からの2回、エニシングの西村社長と100年前掛け展キュレーターの小高さんによるギャラリートークが開催されました。

「豊橋市内の工場で約100年前のシャトル織機により作られた前掛けが、世界60ヵ国以上で販売され使用されている。この地元を誇りに思ってほしい」と西村社長。

小高さんからは、「資生堂の花椿シリーズのアートディレクターだった仲條正義さんが昨年亡くなられ、最後の作品がこの前掛けデザインとなりました。洗練されたデザインの作品を是非見てほしいです」と展示作品の紹介がありました。

最後に

emCAMPUS EAST がグランドオープンしてまもなく1年を迎えます。

コンセプトでもある「“つながり”を生み出し、豊橋の明日につなげていきたい」という想いから、株式会社リクルートホールディングス協力のもと、有限会社エニシングとサーラグループの共同で、この展示会を企画しました。

この展示会を通じて多くの皆さんに、日本一の産地が豊橋であったことと、その伝統文化について知ってもらい、地域に興味を持ち、魅力に感じてもらうきっかけとなることを期待しています。

10月16日(日)21時まで開催していますので、ぜひゆっくりとご覧ください。