濃厚な味でドレッシングいらず!土耕栽培で育った『安田商店』のベビーリーフ

スーパーで気軽に買うことができ、火も包丁も使うことなくそのまま料理に使えるという、忙しい現代人の味方ベビーリーフ。実は、ベビーリーフという名前の野菜は存在しないということを知っていましたか?

ベビーリーフとは、発芽して30日以内の赤ちゃん葉っぱの総称です。レタスや小松菜など、普段食べ慣れている様々な野菜の赤ちゃんが、ベビーリーフとして売られています。
品種が数多くあるベビーリーフ。丸い形やギザギザした形、赤っぽいものや緑の強いものなど、見た目もそれぞれ個性的です。そして種類の分だけ様々な味が楽しめます。また、小さい時に摘み取るため、普通サイズの野菜と比べて栄養価が凝縮されています。ミネラルやビタミンもたっぷりで、健康が気になる方にもおススメの野菜なのです。

筆者はレストランバスモニターツアーで、ベビーリーフの収穫体験をさせていただきました。

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案内をしてくれたのは、農園を運営する安田商店の代表取締役社長、安田弦矢さん。
安田さんのお話を元に、安田商店のベビーリーフ栽培について詳しくご紹介します!

レストランバスモニターツアーにて
収穫体験したベビーリーフはツアーのランチにも

株式会社 安田商店とは?

昭和35年に設立された安田商店。おいしさはもちろん、安全・安心な野菜の生産・販売を目指し、渥美半島で事業を展開されています。
たい肥選択のアドバイスから運搬・散布までをサポートするサービスや、発芽率の向上を図るための種まき冷蔵サービスなど、たくさんのチャレンジをされています。まさに渥美半島の畜産と農業の未来を担う企業なのです。

▶ 株式会社 安田商店:公式サイト

ベビーリーフを始めたきっかけは?

渥美半島には棚のある空きビニールハウスがたくさんあり、「この施設を使って作れるものは(花以外に)何かないか?」と、当時、花卉の高設栽培をしていた農家さんから相談されたことが、ベビーリーフ栽培をスタートしたきっかけだと安田さんは言います。
もともとこの辺りには、夏に葉物野菜を栽培している農園はほとんんどありませんでした。しかし、ハウスで温度、水の管理をすることで、葉物野菜も出荷できるのでは?と考え、ベビーリーフを始めたそうです。
安田さんは 3ヵ月間、長野県の農家さん宅に住み込みをしてベビーリーフ栽培のノウハウを学ばれました。そして現在は、安田さんオリジナルの方法で、色々試行錯誤しながら栽培しているそうです。

土耕栽培へのこだわり

ベビーリーフは暑さに弱いため、安定的に供給するために水耕栽培で作られることが多い野菜です。しかし、水耕栽培では多くの水を取り込んでしまい、せっかくのベビーリーフの味が薄くなってしまいます。

そんな中、安田さんがこだわったのは「土」で作るということ。
安田さんは土作りからこだわり、太陽の光をたくさん浴びせて育てることで、味が濃く、丈夫で栄養価の高いベビーリーフの栽培に成功しました。

高設栽培の丈夫なベビーリーフ

安田商店ではベビーリーフの種類に合わせて2つの栽培方法が用いられています。高設栽培と地床栽培です。
今回筆者が収穫体験をさせていただいたのは高設栽培。地面より高い位置に棚を組み、作物を栽培する方法です。安田商店では、ロロロッサやレッドオークなど、レタスのベビーリーフを中心に栽培されています。

高設栽培のメリットは水はけの良さ。一つひとつのトレーが畑となる高設栽培では、土の量もそれぞれ限られています。それに加え、安田商店では土に軽石を混ぜています。水がしっかり抜ける乾燥期間をトレーにもたせることで、丈夫で日持ちし、歯ごたえのあるベビーリーフが育ちます。

さらに、高設栽培は働く人にとっても大きなメリットがあります。それは、腰を曲げず、楽な姿勢のまま作業ができるということ。高設栽培は、ベビーリーフだけでなく、働いているパートさんたちにとっても優しい環境なのです。
また、人の目線に近いところで収穫できるため、異物の混入を防げるというメリットもあります。まさに一石二鳥の栽培方法です!

ベビーリーフについて説明してくださる安田さん
根元の3㎝上からざっくり切って収穫

地床栽培の味が濃いベビーリーフ

ただ、種類によっては地床栽培にせざるを得ないベビーリーフもあります。筆者は安田商店の地床栽培のベビーリーフ農園も見学させていただきました。こちらではミズナやピノグリーンなど、軸のある野菜を中心に栽培されています。

地床栽培のメリットは、ベビーリーフに土と水を十分に与えられること。軸がある堅い種類を地床栽培で作ることで、柔らかく、より食べやすく育てることができます。
しっかりとした生育期間をとることで、より味の濃いベビーリーフを栽培することができるのです。

筆者はその場で、収穫したばかりのベビーリーフの味見をさせていただきました。種類ごとの味の違いがわかるくらい、とっても濃い味がしました。このベビーリーフのサラダならドレッシングはいらないのでは?と思えるくらいおいしかったです!

しっかりと土に根を張るベビーリーフ
収穫したてをつまみ食い

収穫体験を終えて

今まで何気なく食べていたベビーリーフ。今後はそれぞれが何の野菜の赤ちゃんなのか、どのように栽培されていたのかなどを考えながら、味の違いを楽しんでみたいと思います。
ぜひ皆さんもベビーリーフを食べる際は、一生懸命育ててくださっている農家さんのことを想像しながら食べてみてください♪
きっとこれまで以上においしく、ベビーリーフの味を感じられると思います!