田原市の輪菊生産量は全国第1位!カラーリングマムの魅力を全国へ
水色や黄色、紫色など、色鮮やかな菊を見たことはありますか?
これはカラーリングマム(染め輪菊)といって、花が染料を混ぜた水を吸い上げる力を利用して、白色の輪菊の花弁をカラフルに染めたものです。
先日、筆者もレストランバスのモニターツアーで体験させていただきました。
※輪菊とは、蕾を摘み一輪仕立てにした菊のことです。
田原市は全国第1位を誇る輪菊の産地
渥美半島は、年間を通じてとても温暖な気候で、特に日照時間は全国トップクラス。農業に最適な地域となっています。
半島の大半を占める田原市は、令和元年度の市町村別農業産出額が全国第2位でした。(前年は第1位!)
また、愛知県の花き産出額は557億円で全国第1位。そのうち、田原市は300億円と約5割以上を占めているので、どれだけ沢山の花が作られているのかがわかります。(ちなみに第2位は千葉県で183億円です。)田原市の産出額300億円のうち、200億円が輪菊です。田原市は、栽培面積、出荷量ともに全国第1位を誇る輪菊の産地。全国の約4割を占めています。
夜の田原市を車で走ると、暗闇の中に浮かび上がるビニールハウスの明かりを見たことはないでしょうか?
これは田原市の有名な電照菊栽培です。電照菊栽培とは、人工的に日照時間を長くすることで開花時期を遅らせる栽培方法です。
菊は、夏から秋にかけて花を咲かせます。そして日照時間の長さで季節を感じる特性があります。
田原市は、電照菊栽培を行うことで出荷時期を調整し、年間2億5,000万本もの輪菊を出荷しています。
また、日本で唯一の電照菊ナイトツアーを行っていて、ここにしかない夜景を見ることができます。電照菊温室の夜景は、日本夜景遺産にも選ばれています。
【公式】電照菊ナイトツアー (mystrikingly.com)
カラーリングマムの挑戦
昨年2021年から、田原市で生産された輪菊を使って、JA愛知みなみ輪菊部会がカラーリングマムの試みを始めました。菊農家の林正彦さん、さとみさん夫妻がカラーリングマムを始めたきっかけは、ご主人の正彦さんが、部会の勧めで作ってみたところ、カラーリングマムの奇麗さに魅了されたことがきっかけとのこと。これまでに沢山の試作を重ねてきたそうです。
体験させて頂いたカラーリングマムは、自宅でなんと1ヶ月以上も花もちしました。
カラーリングマム 全国に向けての発信
昨年、筆者は『あいち花マルシェ2021』というイベントに訪れました。その時、偶然会場にカラーリングマムが飾られていたのを目にしました。にぎやかな会場でひときわ鮮やかな発色を放っており、今でも強く印象に残っています。そのカラーリングマムも、実は田原市で生産されたものだと、今回のモニターツアーで知る事が出来ました。
また、カラーリングマムは、東京2020五輪の会場装飾にも使われました。
現在、染料の種類は22色。
沢山の色を使ったグラデーションのカラーリングマムもあります。染料の配合や、天気や湿度、そして浸す時間によって色合いが変わるため、自分だけのオンリーワンのカラーリングマムを作ることができます。ぜひ、自分好みのカラーリングマムを探してみてください!
菊の節句
みなさんは、9月9日が五節句のひとつ「重陽の節句」だとご存じですか?別名、不老長寿を願うことから「菊の節句」とも言うそうです。昔は邪気を払い、長寿を願うという意味で、菊を飾ったり、菊の花びらを浮かべたお酒を飲み交わしてお祝いをしたりした節句だったそうです。
菊はお葬式で使われるので、何となく縁起が悪いと思われている方も多いようですが、そんなことはありません。菊には、「赤菊」は誠の愛、「白菊」は誠実、真実、などと、すごく素敵な花言葉が付けられています。菊は日本を象徴する花で、皇室の紋章や、国会議員バッチなどにも使われています。
菊について調べてみることで、菊の新たな発見に繋がるかもしれませんね。