「地域の資源を活用し『食の価値』を世界に発信する」鳥市精肉店
東三河で持続可能な世界に向けて社会課題に取り組む食・食文化の創造者(東三河フードクリエイター)を見つけ、日本や世界に発信していく東三河フードクリエイター配信。
今回は「地域の資源を活用し 『食の価値』 を世界に発信する」鳥市精肉店 市川勝丸さんにお話を伺いました。
鳥市さんの取り組みを教えてください。
愛知県豊橋市で創業80年を超える老舗の精肉店です。
自社生産のブランド鴨「あいち鴨」をはじめ、牛、豚、鶏、猪など、美味しくて安心安全な国産(地元東三河の)肉にこだわり、厳選された素材を取り扱っています。また、食育イベントも実施しながら地域の方との交流を図っています。
あいち鴨の生産を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
お付き合いのあったあいち鴨の生産者さんが後継者不足で辞められてしまい、どうしようかと悩んでいた時に、ホテルアークリッシュ豊橋のレストランで食べた鴨の味に衝撃を受け、鴨の可能性を大いに感じました。このあいち鴨が無くなってしまうはもったいないと感じ、自分で生産に挑戦することに決めました。
生産を始めてから特に苦労したことはありますか?
初めは生産自体を甘く見てしまい、肉体的な苦労がありましたが、何より生産したあいち鴨の販路開拓と在庫確保がとても大変でした。まずは地元から広げていこうとスタートしましたが、なかなか知名度が拡大せず、認めてもらうのに時間がかかりました。全てゼロの状態から生産、販路開拓、在庫確保という一連の流れをこなすことは非常に大変でした。
今に至るまでの販路開拓でのターニングポイントはなんですか?
始めてから5年くらいは地道に広げていきましたが、2019年頃からメディアに取り上げてもらうことが増えました。一番大きかったのは『青空レストラン』に取り上げていただいたことです。そこから他メディアからもお問合せいただくことが増え、県外の方からも購入していただけるようになりました。
オンラインでの購入者が増え、県外にも認知が拡大したことが大きなターニングポイントとなりました。
今後の展望は?
食育や食文化を提供しながら子供から大人まで楽しめる施設「鴨ランド」を作りたいと思っています。生産だけでなく、一次産業から三次産業まで担える会社を目指していきたいです。消費者の方が食育や食文化に触れ、食べるだけでなくクリエイターと一緒に育っていくためのお手伝いができれば嬉しいです。また、そういったプロジェクトを通じて、あいち鴨が世界で認められていることを市民の方に証明していきたいです。
トピック「実は私は…こんな人!」
前職の会社の時に、「いつか地元にもどり、家業を継ぎたい」という想いが芽生え、2011年に鳥市精肉店に入社しました。地元である東三河の素晴らしい畜産農家さん、お料理人さん、お店にみえるお客さん、社員さんなど、お仕事で関わる皆さんに喜ばれるお仕事がしたいと思っています。