藤田朋宏氏による、東三河「食」×「農」講演会が開催されました!

4月27日(水)、東三河の「食」と「農」のスタートアップを盛り上げていくために、豊橋の種麹メーカーである糀屋三左衛門の第二十九代当主、村井裕一郎氏(以下、村井氏)が主催する講演会がemCAMPUS FOODにて開催されました。その模様をお伝えします。

(写真左:糀屋三左衛門 村井氏、右:ちとせグループ 藤田氏)

糀屋三左衛門さんの麹は、emCAMPUS FOODで提供されるピザに使用されています!
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藤田朋宏氏による、東三河「食」×「農」講演会

講演会に招かれたのは、ちとせグループCEOで京都大学産学連携本部特任教授、内閣官房「バイオ戦略」有識者の藤田朋宏氏(以下、藤田氏)です。
主催者である村井氏が、以前京都大学で行われた藤田氏の講演を聴いて、「是非、東三河の人に藤田氏のお話を聞いて欲しい!」と考え、今回の講演会が実現しました。
藤田氏は東京大学農学部を卒業後、外資系コンサルタント企業を経て、微生物や藻類を中心としたバイオ関連事業を手掛ける、ちとせ研究所を立ち上げました。ちとせ研究所は現在、ちとせグループとして4カ国13拠点に跨るバイオベンチャー企業群となっており、世界のバイオ産業を牽引しています。
講演会のテーマは、「千年先まで続く環境を残す取り組みが応援されるには ❝ゼロから事業を作る上で鍵を握るヒト・モノ・カネの考え方❞-持続型農業から藻類生産まで-」です。
「千年先まで続く環境を残すための循環型の取り組み」を日本と東南アジアで展開し、また、バイオ産業を牽引してきたという藤田氏の経験をもとに、❝農業や食を中心とした取り組みの概要❞と❝ゼロから事業を作る上で鍵を握るヒト・モノ・カネの考え方❞について、講演されました。

イベントレポート

講演会は、安城市の神谷市長をはじめ、地元の行政や商工関係者さん、生産者さんなど約40名の方々が参加されました。
講演の前半では、ちとせグループが取り組む、菌の品種改良技術や、藻類の効率的な生産技術などのバイオテクノロジーを用いて、社会にどうイノベーションを起こしていくか、藤田氏のビジョンが披露されました。
藤田氏は技術を開発する過程で、研究拠点のある東南アジアの農業が農薬に過度に依存している点に社会課題を見出したそうです。
そこから、その土地にあった「環境持続型農業」を根付かせる事業を始めたとお話しされました。
後半では、日本のバイオ業界における研究開発の現場で見られる問題点から、事業を成功させるための考え方が披露されました。藤田氏は、高度な技術を開発しても、その技術を事業化・収益化できない例を沢山見てきました。その経験から、技術を開発して事業化するのではなく、先に事業を考え、事業を買ってもらう約束を取り付けてから、技術開発に取り組むという流れが重要といいます。
その点、東三河フードバレー構想は、事業を最初に掲げているところが、面白い取り組みだと言及していただきました。

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その後も、組織論やビジネスモデルに関する沢山のアドバイスをされ、2時間の講演はあっという間に終わってしまいました。
講演後の質疑応答や、emCAMPUS FOODでの懇親会など、参加者の皆さんの活発なコミュニケーションが印象的でした。藤田氏、大変参考になる講演をありがとうございました。
今後もemCAMPUSは、フードクリエイターの活躍の場、そして東三河の食・食文化の体験の場として取り組んでいきます。