森田敦子氏 × 神野吾郎氏 東三河の発展について語る 【前編】

3月14日(月)、emCAMPUS1階に『Waphyto』がオープンしました。
『Waphyto』とは植物バイオメソドロジーにフォーカスした日本初のビューティブランドです。
商品はどれも、フィトテラピーの現場で培ったWaphyto社長の森田敦子氏の経験を集約して開発されています。
オープンを記念して、森田敦子氏がパーソナリティを務めるラジオ番組、『Waphyto ~Love your life~』の収録が emCAMPUS STUDIO にて行われました。
ゲストは株式会社サーラコーポレーション代表取締役社長兼グループ代表CEOの神野吾郎氏。emCAMPUS の開発を担う、豊橋駅前大通二丁目地区市街地再開発組合の顧問でもあります。
3月6日、13日の2週にわたって放送された、森田敦子氏(以下、森田)と神野吾郎氏(以下、神野)の対談内容を前編と後編にわけ、ダイジェストでお伝えします。

サーラグループの始まり

森田: Waphyt Love you Life。早速ゲストの方を紹介したいと思います。神野吾郎さんです。

神野:今日はよろしくお願いします。

森田:サーラコーポレーションといえば、豊橋に本社があるサーラグループの中核となる会社。そもそもの始まりはガス。120年ぐらい続いていると聞いているのですが?

神野:そうです。都市ガス事業を愛知県の豊橋市、それから静岡県の浜松市で始めたのが最初です。当時、ガスは熱ではなく、ガス灯っていう明かりだったんですよ。そうしたらエジソンが電気を発明して、ガスは明かりとしての使命がなくなってしまった。そこでガスの熱を、人間の生活であったり、製品を作ったりするために、どういう風に使えるか検討され、エネルギー事業が始まりました。

森田:そういう流れがあるんですね。100年を超える地元に根付いた会社。すごく長い歩みがあると思うのですが…?

神野:始まりは、私の先祖が三河湾で大きな新田開発をするにあたって、現場監督をする為に名古屋から来たことです。それから日本が欧米に追いつけ追い越せとなり、その事業の中で、エネルギー事業や鉄道事業などをいろいろ手がけてきたっていうわけです。

森田:それは神野さんから何代前の方ですか?

神野:現場監督に来た人は4代前です。そこから地域をベースに、生活や経済活動をいかに活性化し、発展させて豊かにしてくかを、ずっと考えてやってきました。今は東三河だけではなく、静岡県であったり、関東地方であったり、全国でいろんなことをさせていただいてます。

東三河は特別な土壌

森田:私は24年前、パリからこの東三河に帰ってきたばかりの頃は、全て海外のハーブや薬草を使って製品を作っていたんです。でも自分の故郷に、ヨモギや菊、桑など、こんなにもすごい薬草があると気付いた。しかも分析をしてみると、すごい成分が出てくるんですよ。なんでかな?と思ったら、どうやらここは中央構造線という日本最長の断層帯で、ちょっと特殊な土壌みたいなんです。

神野:私は森田さんに教えていただくまでは気付きませんでした。

森田:この地を代表する武将の徳川家康は薬草や漢方にすごく研究熱心で、そのおかげで長生きをしたとも言われてます。徳川家康が開いてくれた薬草の凄さは、やはりこの土壌だからこそだと思います。

神野:一昨年前の明智光秀の大河ドラマで、徳川家康のお世話をやっていた忍者、彼は薬草の調合をする技術者なんですよね。そこからも、三河の土壌がすごく特異な力を持っていることと繋がってくると思うのです。ただ、もともとこの東三河には水がなかった。でも太平洋戦争の後、豊川用水を公共事業で引いて、渥美半島全域に水が行き渡るようになりました。今では日本一の農業地帯になっています。

森田:日本一のものが多いんですよね。

神野:量としても、東三河は日本一のものが多いですが、質としても、すごく良いものを作られている方たちがたくさんいらっしゃる。例えば新城の海野さんという方が作られている桑。その桑から蚕、絹が生まれ、それが伊勢神宮の一番良い位の方が着る装束の絹になっている。そういうことが歴史的に全部繋がってきて、やっぱり特殊な土壌があるのかもしれないと思い始めました。今、森田さんたちは大学と一緒に研究をされていますよね。ぜひ科学的なエビデンスを作っていただき、生活に役立ついろいろな化粧品や商品に繋げていただけたらすごいなと思っています。

森田:新城の海野さんの桑、実はWaphytoの中にも入っています。この土壌で育ったものを沢山配合し、世界中の人たちにも使ってほしいです。ここは、本当に特別な場所なんです。

神野:私も段々そう感じるようになりました。

豊橋再開発の始まり

森田:神野さんといえば、豊橋駅前の再開発事業のリーダー的存在。昨年オープンした emCAMPUS の総合的プロデューサーもされていますよね。

神野:はい。昔、豊橋駅前に西武百貨店があったのを覚えていますか?2003年に閉店したんです。その跡地を、私共のグループで再開発をするというようになったんです。

森田:結構広い土地ですし、再開発っていったら大変ですよね。

神野:そうですね。その頃、中心市街地はどんどん寂しくなってしまっていて…。郊外のショッピングセンターもでき、モータリゼーションで、まちなかは火が消えていくっていう感じだったんです。まちなかっていうのはその地域の、家で言うとリビングルームみたいなものですよね。ここが何もなくなって廃墟みたいになっていくのは、まるでまちが終わっていくような、そんな感じがあったんです。だから再開発をやろうと決意しました。でも私は素人だったので、いろんな人に話を聞きに行きました。その時に、北山孝雄さんが「地域の大きなリビングルームを創ろうじゃないか」と言ってくださったんです。

森田:安藤忠雄さんの双子のご兄弟ですよね?

神野:そうなんです。ご兄弟で顔はそっくりなんですが、孝雄さんはプロデューサーなので、どちらかというと表に名前が出ないお仕事をされています。でも日本全国で、彼がプロデュースした、たくさんのストーリーがいっぱいあります。ココラフロントのプロジェクトは孝雄さんと出会って始まったんです。さらに名豊ビル、総合開発ビルという2つの大きなビル。こちらもやはり同じように、50年の年月を経て、歴史的な使命を終えつつあって…なんとかならないのか?いう場所になっていたんです。でも一度に全部はできないので、まずはココラフロントを2003年から始めて、2008年にオープンしたんです。それから10年近く経って、昨年の11月に emCAMPUS がオープンしました。ですから出発点はココラフロントなんです。

森田:ココラフロントのアークリッシュにあるKEIというレストラン。私は好きでよく行くんですよ。KEIという名前には由来があるんですよね?

神野:RESTAURANT KEIは16階にあるので、東三河が全部見渡せる。素晴らしい景色なんです。KEIから見える景色からの恵みで我々食事をさせていただく、つまり景色のKEIなんです。

森田:私はレストランの一番角の席に座るのが好きなんですよ。

これからの豊橋まちづくり

森田:ココラフロントと emCAMPUS はまちづくりで繋がっているんですね。

神野:まちづくりは地域の持っている力、これを最大限活かせるプロジェクトじゃないと長く続かない。サスティナブルになっていかない。だから、外の人も含めて、いろいろな能力や考えを持っている人たちを結集させて、コーディネートする。地域の方だけでなく、外国から来た方にも、「この地域にはこんなものがあるのか!」と気付いてもらえる場所をと、ココラフロントを最初に作ったんです。ココラフロントとは、「心楽しむ」という意味なんです。emCAMPUS の「笑む」に繋がるんですね。ココラは「ここから」、フロントは「最前線」、つまり「ここから始める」という意味なんです。ここから始める基地、東三河のリビングルームにしようっていうことなんです。そしてアークリッシュ。アークはフランス語で「掛け橋」、リッシュは「豊か」という意味。「豊かさへの架け橋」ですね。そしてこれを短くすると、豊橋なんです。

森田:ぜひたくさんの方に、新幹線などでこの豊橋に降りて、ホテルアークリッシュ豊橋に泊まって、そしてあの16階からの景色を見ながら地元の食材を使った料理を食べて、この街を歩いてほしいですよね。

神野:そうですね。このプロジェクトが始まって、もう14年ぐらいなるのですが、ありがたいことに、地域のいろいろな生産者の方々と、すごく良い関係ができたことですね。それによって農業の力や水産業の力、畜産業の力、土の力などいろいろなことを学びました。これをもっと地域の人に知ってもらいたい。そして全国、世界の方々にも知ってもらいたい。そのためにはキャンパスで学び、そしてトライをする。やっぱりチャレンジをすることがすごく大事で、そういう思いが emCAMPUS という場所に繋がるんです。

森田:私も同じ気持ちです。自分はまだまだ存在的には小さいけど、パートナーとして未来へ繋げていきたいと考えています。

後編はこちら

『Waphyto ~Love your life~』

FM AICHIにて毎週日曜日9:30~10:00放送。
植物のチカラを通して、健やかなライフスタイルを提案。
現代の複雑なライフステージに生きるすべての女性が、健康で美しく、人生100年時代を迎えるためのヒントを発信。


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