路面電車でリアル脱出ゲーム!?謎解きクリエイター『なぞわし』の挑戦 ―― 上田陸人さん

プロジェクト会員活動レポート No.12

emCAMPUS STUDIO 第3期プロジェクト会員として活動された「なぞわし」こと上田陸人さんが、豊橋市を舞台にユニークな挑戦を続けています。彼が今掲げる大きな目標は、実際に走行する路面電車(市電)を舞台にしたリアル脱出ゲームの開催です。
本記事では、その第一歩として取り組んだ、プロジェクト会員3ヶ月間のレポートをお届けします!

「なぞわし」こと上田陸人とは?

上田陸人さんは、豊橋技術科学大学の修士1年(記事掲載当時)の大学生謎解きクリエイターです。彼の趣味は謎解き制作で、「お客様が『謎×何か』をしたい時に、謎解きを提供したい」と考えています。

活動のきっかけは株式会社Liremが提供する学生向け事業創出プログラム『火-Okoshi』。
さらに2024年11月にemCAMPUS STUDIOで開催した『火-Okoshi 共創MATCHING』から、このプロジェクト会員制度にエントリーいただきました。

キックオフイベントの様子はこちらから!

彼にとって謎解きは「ひらめきがあれば特別な知識が無くても解けるクイズ」であり、多くの人が少し気になるエンターテイメントだと言います。謎を解くコツとして「とにかく観察して」「ルールに気づき」「勇気を出して答える」ことを挙げています。

上田さんは、過去テレビ番組で出会った「ある一問」をきっかけに、謎解きが好きになりました。
本記事でも出題しますので、読者の皆さんもぜひ考えてみてください。

次の画像はもう答えになっています。
自分で考えたい方はここでスクロールをストップしてくださいね。

では、回答です!

「HEART(心)」を英訳すると、その中「EAR(耳)」があります。
同じように「CLOVER(クローバー)」を英訳すると現れるのは「LOVE(愛)」。
ということで、正解は「愛」でした!

上田さんはこの一問をきっかけに、「この世界の、素敵な偶然に気づくことができる」謎解きの魅力にどっぷりはまります。
ついには自分で謎解きをつくり、誰かに届けたいと考えるようになりました。

リアル脱出ゲームとは?

リアル脱出ゲームとは、直感や論理的思考、ひらめき力を使って謎を解く体験型のクイズイベントです。近年ではエンターテイメントとして定着しており、特に20代から30代の若年層に高い人気を誇っています。
全国の商業施設や観光地でも開催されており、地域活性化や集客施策の一環として導入されるケースが増えています。

なぜ路面電車でリアル脱出ゲームなのか?

豊橋市の市電は、その歴史と情緒あふれる見た目から重要な文化物・風景ですが、近年は利用者数が減少傾向にあり、特に市外の人からその魅力が広く知られていないという課題があります。

上田さんは、実際に走行する市電を舞台にすることで、その新規性とエンターテイメント性から市電に興味を持ってもらい、その魅力に気づいてもらうことを狙っています。
この企画は、豊橋鉄道さんが求める「新しい層への新しいアプローチ」や「昼間の利用者数向上」といったニーズに応えるものと仮定しました。

特に、走行中の市電を舞台にした脱出ゲームは全国初の試みであり、SNSでの話題性や強力な新規性から、路面電車自体を観光資源化できる可能性を秘めています。これにより、若年層や市外の観光客に市電の魅力を届けることができます。

上田さんはこの活動を通じて、「100年後も市電が、人、そして人の想いをはこぶ未来」を目指しています。

ゲームコンセプト:「暴走するAI運転の電車を止めろ!」

企画したリアル脱出ゲームのコンセプトは、「暴走するAI運転の電車を止めろ!」です。

  • ストーリー: 舞台は10年後の近未来の豊橋市。完全自動運転AI「rain」が制御不能に陥り、電車が終点で大事故を起こす危機に瀕します。プレイヤーは車掌と協力し、AIによって暗号化された緊急停止装置を解除し、終点に到着するまでの30分以内に車両から脱出することを目指します。
  • 参加人数: 1回あたり最大1~4名のグループで参加します。
  • ターゲット: 中学生以上を対象とし、リアル脱出ゲームに興味のある若年層(10代後半~30代)、豊橋市や周辺地域の観光客、電車やミステリーが好きな層を狙っています。謎解き初心者でも楽しめるが、経験者にも歯ごたえのある難易度設定を目指しています。
  • 没入感: ストーリーの進行とともに謎を解くことで、プレイヤーが物語の一員となる没入感を提供し、臨場感を重視しています。

このリアル脱出ゲームでは、つり革、車内広告、金網、カーテンなど、実際の電車にあるものを活用し、そこでしか味わえない謎解きを想定しています。

豊橋鉄道様への提案に向けたプレイベントの開催

この企画を実現するためには豊橋鉄道様の協力が不可欠です。しかし上田さんは自身でリアル脱出ゲームを運営した経験がなく、一から企画を立ち上げることとなりました。
そこで、プロジェクト会員の期間中に emCAMPUS STUDIO の室内で脱出ゲームを再現するプレイベントを開催しました。

プレイベントの主な目的は、参加者からのフィードバック(イベントの満足度、市電開催時の参加意欲、不満点・改善点、適切なチーム人数、妥当な価格など)を収集し、豊橋鉄道様にプレゼンする際の資料とすることでした。

このイベントでは、市電を舞台にしたストーリーや景色と違和感のない世界観、電車ならではのギミックを使う謎解きなど、市電にそのまま応用できる方向性が意識されて作られました。

市電らしさを演出するため、つり革の再現物や吊り下げ広告などの小道具も制作しました。

また、プレイベントでの吊り下げ広告は、上田陸人さんの活動に共感し、「応援したい!」と集まった地域3社の方からご協賛いただき、作成することができました。

【ご協力いただいた企業様(順不同)】
 ・コワーキングスペース Trial Village
 ・株式会社Lirem
 ・一般社団法人移住者人材バンク

当日は豊橋ケーブルテレビ(ティーズ)さんから取材も!

プレイベントの結果と参加者の声

プレイベントは非常に高い満足度を得ることができました。参加者からのアンケート結果では、6人の回答者のうち4人(66.7%)が満足度を最高評価の「5」と回答し、2人(33.3%)が「4」と回答しました。

さらに注目すべきは、参加者全員が、このイベントが市電で開催された場合に興味を持つと回答したことです(「絶対に興味を持つと思う」が33.3%、「興味を持つと思う」が66.7%)。

参加者からは、以下のような期待の声が寄せられました:

  • 馴染み深い豊橋でこのようなイベントが企画されていることを嬉しく思う。正式なイベントが開催されることが楽しみだ。
  • 「子どもと参加しましたが、大人2~3人で参加して、相談できたら良かった。次に機会があれば妻や友人と参加したい。」
  • クイズがよく凝らされていて、大人でも楽しめた。他シリーズがあったら、ぜひまたチャレンジしてみたい。
  • 「楽しかった!」
  • 「時間と難易度がちょうど良かった。設定も良かった。」

今後の展望

上田さんはemCAMPUS STUDIOのプロジェクト会員期間中に、リアル脱出ゲームの企画書・提案書の制作、プレイベント開催、豊橋100人カイギへの登壇による仲間集め、大学での謎解きサークルの発足といった活動に精力的に挑戦し続けました。
学業との並立に悩み葛藤する姿もありましたが、最後には当初目標としていたところまでたどり着くことができました。

成果報告会の様子はこちらから!


そして今後も、実際に走行する路面電車でのリアル脱出ゲームの実現を目指し、プロジェクトを推進していく予定です。


上田さんは「謎解きは結局、言葉です。謎解きは、何かとコラボし何かを伝えようとするとき最も輝きます」と語ります。
謎解き×何か」で新しく面白いことをしたいという彼の挑戦は、まだ始まったばかりです。

上田さんからのお知らせ

今年(2025年)の豊橋技術科学大学の文化祭(10月11日・12日開催)で新しい脱出ゲームを開催します!
こちらにもぜひお越しください!

お仕事のご相談は下記連絡先まで


謎解きクリエイター なぞわし (上田陸人)

 Facebook    :上田陸人
 メールアドレス:nazowashi@gmail.com

 ※学業と兼業しているため、時期・内容によってはお受けできない場合がございます。