東三河の生産者を知る!第11弾 近藤養蜂/近藤氏インタビュー

農民藝術創造倶楽部のメンバーである生産者さんへのインタビュー企画の第11弾として、近藤養蜂「kosaji」の近藤勝俊さんを訪ねました。

元々は、農作物の花粉交配作業などに使用される蜂を飼育して貸し出す「貸し蜂業」として養蜂業のキャリアをスタートさせた近藤さん。養蜂の副産物として採れた蜂蜜を身近な人々にプレゼントしていたところ、大変評判が良く、周囲の勧めがあったことから蜂蜜の販売をスタートしました。

今回は豊橋市内の事務所にお邪魔して、近藤さんのこだわりや挑戦について伺いました。

Q.生産される蜂蜜について、こだわりを教えてください

太平洋と三河湾に挟まれた豊橋市は、豊かな自然に恵まれた全国でも指折りの農業王国です。
豊かな自然の中でミツバチを飼育し採蜜することで、ミツバチにかかる負担を最小限にすることができます。
蜜を集めてくる蜂たちが元気であることは、美味しい蜂蜜を生産する上で大切な要素です。

なるべく自然に近い状態の蜂蜜を皆さんに味わってもらいたい為、蜂たちが集めてくれた蜜は、可能な限り人の手を加えずに瓶詰しています。高熱処理をして濃縮することはせず、巣箱の中で濃縮され完成した蜂蜜だけを販売するようにしています。

現在は、「春はちみつ」と「夏はちみつ」の2種類を生産しています。両方とも豊橋市内の様々な花から蜜を集める「百花蜜」という種類になりますが、季節によって咲く花は異なるので色や味わいも異なります。
春はちみつは、菜の花やハゼノキの蜜源としていて上品な甘味と濃厚な香りが特徴です。また、夏はちみつは、カラスザンショウやホルトノキが蜜源で、フルーティな酸味とすっきりとした甘味がお楽しみいただけます。

Q.「kosaji」の名前の由来を教えてください

1匹の蜜蜂が一生に集める蜂蜜の量はわずか小さじ1杯分であることから、「kosaji」と名付けました。
蜂の1匹1匹の生涯を分けてもらっているという感謝を忘れないためでもあります。
元々、「貸し蜂業」としてスタートしているので、あくまでも、蜂蜜は蜂たちから分けてもらっているものという原点は常に意識しています。

Q.今後の挑戦・展望について教えてください

蜂蜜の生産を始めて5年が経過しましたが、毎年新たな発見があります。気温や天候などによって採蜜できる量が増減することや、蜜蜂がたくさん死んでしまった年もありました。自然のことなのでコントロールできるものではないのですが、ノウハウを蓄積していくことで対策ができることもあります。大切な蜂たちと共に生きていくために、これからも学んでいきたいと思います。
蜂たちに負担を掛けない方が良い物を作ってくれるということも分かってきました。蜂蜜を採りすぎる事などの無いように、しっかりと蜂たちを甘やかしていきたいですね。

インタビューを通して

今回は、養蜂家で、蜂蜜の生産者でもある近藤さんにお話を伺いました。
蜂たちをパートナーとしてお互いに助け合う姿から、自然と共に生きることを大切にする近藤さんの想いを感じられました。そんな近藤さんと蜂たちがつくる蜂蜜は、季節の移ろいを感じる事の出来る優しい味わいに仕上がります。小さじ1杯に込められた一生の物語をすくうことで、身のまわりの自然へと気持ちを向けるきっかけにもなれば・・・という近藤さんの願いが込められた蜂蜜をぜひ味わってみてください。

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