SDGsワークショップ『スマイルフラワー大作戦』 開催!
2024年 8月 2日(金)、豊橋創造大学短期大学部 キャリアプランニング科 と サーラグループ emCAMPUS STUDIO による共創企画 SDGsワークショップ『スマイルフラワー大作戦』が開催されました。
このワークショップは、フラワーロス(花の廃棄)とSDGs(持続可能な開発目標)について、多くの方に考えていただくことを目的として企画されました。
当初の定員は20名でしたが、23名(大人12名、子ども11名)の方々にご参加いただき、大変賑やかで充実したイベントとなりました。子どもたちの笑顔があふれるワークショップの様子を、ここでレポートします。
出荷量全国1位!田原市の輪菊
ワークショップの前半では、田原市の輪菊(りんぎく)を使ったカラーリングマム体験を行いました。講師を務めたのは、豊橋創造大学短期大学部 キャリアプランニング科の瀧﨑 優佳 准教授です。
田原市は全国で1位の出荷量を誇る輪菊の産地ですが、そこでもフラワーロスが大きな問題となっています。
今回のワークショップで使用した輪菊は、田原市の菊農家である根木さんが提供してくださったもの。廃棄予定で規格外となっていた輪菊です。
カラフルなカラーリングマムに挑戦!
“カラーリングマム”とは、染色液に白い輪菊を生け、花が水を吸い上げる力を使って花弁をカラフルに染める技法です。今回ワークショップを開催するにあたり、カラーリングマムの第一人者である菊農家の林 さとみさんに、直接カラーリングマムのやり方について教えていただきました。また林さんからは、実際にお仕事で使用されている染色液を、ワークショップのために特別にご提供いただきました。
参加者は、根木さんが育てたたくさんの輪菊の中から、それぞれ自分の好きな輪菊を選択。更に、林さんご提供の色とりどりの染色液の中から、自分の好きな色を選び、輪菊を浸しました。
輪菊が染まる様子を見守りながら、参加者はフラワーロスや SDGs について学びました。
“フラワーロス”とは、生産された花が消費者に届かずに廃棄されてしまう問題を指します。これにより、美しい花が役目を果たせずに捨てられてしまう現状が、花き業界全体の大きな課題となっています。
なぜフラワーロスが起こるのか、SDGs のために自分にできることは何があるのか、参加者はそれぞれの視点で考えました。
その間にも刻々と変化する輪菊の姿に、子どもたちはもちろん、大人も夢中になって観察していました。
★輪菊とカラーリングマムについての詳細はこちら
フラワーロスの新たな可能性を探る!
ワークショップの後半では、フラワーロスの新たな活用法について講義が行われました。講師は株式会社 名古屋精密金型 代表取締役 渡邊 祐子 氏です。
㈱名古屋精密金型は知多半島の東浦町にある会社で、主にプラスチック部品を量産する金型を製造しています。そしてバイオマスプラスチックの製品を生み出す技術も研究開発しています。
“バイオマスプラスチック”とは、動植物由来の再生可能な有機資源を原料として作られるプラスチックのこと。この技術を輪菊でも活用できるのではないかということで、今回渡邊氏に講義していただきました。
渡邊氏からは自社事例として、ぶどうのタンブラーが紹介されました。巨峰の産地である東浦町では、小さいうちに間引きし廃棄されてしまう”摘果ぶどう”が課題となっています。㈱名古屋精密金型ではこの摘果ぶどうを活用したバイオマスプラスチックでタンブラーを開発し、現在商品化に向けて取り組み中なのです。 輪菊も同様に、乾燥させて砕くことでバイオマスプラスチックに生まれ変わることができるとのこと。参加者は新たな視点から、フラワーロスの解決策を模索することができました。
講義の後、参加者は「ぼく・わたしが未来に残したいもの」をテーマに絵を描きました。そして渡邊氏が用意したバイオマスプラスチックのタンブラーに、描いた絵をレーザー彫刻。各々オリジナルのバイオマスプラスチックのタンブラーが完成しました。
未来へつながるワークショップに!
ワークショップの最後には、輪菊は見事な美しいカラーリングマムに生まれ変わりました。更に、それぞれのオリジナルタンブラーにカラーリングマムを活け、かわいらしいフラワーアレンジメントの完成です。
参加者の皆さんからは、「きれいな花でも捨てられてしまうという話に驚いた!」「親子で同じ目線で一緒に学べて楽しかった!」といった嬉しい声が多く寄せられました。
emCAMPUS STUDIO では、これからも様々なテーマのワークショップに挑戦する予定です。今後も継続的にフラワーロスや SDGs に関する取組みを続け、地域社会に貢献していきたいと考えています。
今回のワークショップにご参加いただいた皆様、そして協力いただいたすべての方々に心から感謝申し上げます。これからも SDGs の達成に向けて、一緒に歩んでいきましょう。