『STUDIO Tea talk #03』 ゲストはWebライター 斎藤あやかさん
働き方やキャリアについて考えるトークイベント『STUDIO Tea talk』の第3回が9月17日(土)、emCAMPUS STUDIOで開かれました。
今回はWebライティングに関心がある方や、子育てと仕事の両立に悩む方など8名にご参加いただきました。
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斎藤さんの経歴
ゲストの斎藤あやかさんは2012年、大学時代からWebライティングを開始。
結婚、妊娠、出産を経て「自分も家族も無理をしない」という理想の働き方を実現すべく2016年に開業されました。
現在はWebライター、Webライター養成講師、ディレクターを軸に、変化するライフスタイルに合わせたフレキシブルなワーキングライフを送っていらっしゃいます。
▼子育てを経験したスタッフから共感の声が上がりました。心に残った内容をダイジェストでお知らせします。
「ライターのきっかけは?」
ライターを始めたのは大学4年生のときです。
mixiで「文章を書いて報酬にしませんか」という募集を見て「怪しいな」と思いつつも応募したのがきっかけです。
実際に500文字ぐらいの記事を書いてお金をもらいました。
当時、アルバイトもしていたのですが、どこにも出かけずにパソコン一つで報酬をもらえるというのが衝撃的でした。
大学在学中に婚約して、卒業と同時に結婚しました。
主人が不規則な勤務だったこともあり、いただいていた就職の内定は辞退しました。
新婚時代は昼がパート、夜は塾や家庭教師のアルバイトをして、その合間にWebライティングをするという生活でした。
そのときに、クラウドソーシングサイトの『Lancers(ランサーズ)』に登録して、本格的にお仕事の受注を始めました。
結婚してから1年半ほどで妊娠しました。
ただ、切迫流産になってしまい、トイレ以外は動けず、ベッドに寝たきりの絶対安静の生活を送っていました。
パートもアルバイトも人を担当する仕事内容だったので、迷惑をかけてしまうことがすごく申し訳なくて全部退職しました。
体調がよくなってからはライティングだけをほそぼそと続けていました。
「開業のきっかけは?」
出産後の働き方でとても悩んだことです。
産後の肥立ちがすごく悪くて、少し体調が戻り始めたなと思ったのが産後1年ちょっと経ったときでした。
もともとは出産したらパートで働こうと思っていて、産前に事務系の資格を取っていたぐらいです。
フリーランスでやっていくつもりは全くなかったのですが、まず困ったのが面接のときに子どもの預け先がないことでした。
核家族で近くに頼れる人もいなかったし、夫は会社員で勤務が不規則なうえに激務。
もし私がパートを始めたとしても、子どもが熱を出したら動けるのは私しかいません。
さらに、夫は「3歳までは母親が子どもをみるべき」という考えを持っていました。
ライティングだったら子どもを見ながら家で働けるなと思って、開業することにしました。 それが2016年で、26歳になるちょっと前でした。
「今の仕事を続けるうえで一番大切にしたいことは?」
「自分も家族も無理をしない」ということです。
理想の働き方や、大事にしたいものって人によって違うと思うんです。
似たような境遇とか、似たような家庭環境はいくらでもあると思いますが、全く同じというのは絶対にありえないですよね。
だから、誰かが掲げる理想の働き方が、自分の理想とする働き方にマッチするとは限らないと思っています。
そうであれば、モデルケースを追うよりも、自分や家族が納得できる働き方がいいんじゃないかと思って。
そもそもどうして働くのかというと、自分や子どもの将来のためにちょっとでも収入が欲しいというのもあります。
正社員で働いたことがないので、大学時代の友達がどんどん会社でキャリアを積んでいく中で自分だけ専業主婦というのもすごく不安でした。
その一方で、母親、妻といった家族の中での役割を果たしたい思いもありました。
あと、働くことに対して家族の理解が必ず必要になるとも思っていたので「3歳までは母親が子どもを見るべき」という主人の考えを押し切ってまで、外で働くことがいいことだとは思えませんでした。
結局は、我慢したり苦労したりするのが自分や家族、特に子どもになるんじゃないかと。
自分や家族のために働くのに、結局負担がかかってしまうような働き方は本末転倒ですよね。
だからこそ、私は「自分も家族も無理をしない働き方」というのが理想で、一番大事にしたいことだと思っています。
「ライターとしての付加価値の付け方は?」
Webライターは、SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション、検索エンジン最適化)の関係で専門性があると強みになります。
ライティングスクールの生徒さんにも「専門性がなければつくってください」とお伝えしています。資格取得が分かりやすいでしょうか。
専門性をつくるのが難しいというのであれば、お客さんの手間を減らすことです。
仕事の質はもちろんですが、速さ、SNS運用などのスキルの掛け合わせ、文章を書くだけではなく、直接WordPressに入稿できる、簡易でも図表の作成ができるなど。
最終的に人柄が左右するようなところもあるので、納期を守ること、コミュニケーションをしっかりとること、提案力、営業力などのところでも付加価値は付けられるものだと思っています。
Webライターを続けていくうえで、必要なものは?
文章力や営業力というのはもちろん必要ですが、自分で課題を見つけて解決に向けて行動していく「自走力」というものに全て集約されるのではないでしょうか。
私が教訓にしている言葉でお伝えしたいのが「目と耳と口があれば、どこへでも行ける」。
私の曾祖母の言葉で、母から聞いたものです。
曾祖母は明治生まれで、ドラマの『おしん』のような時代。学校も満足に行けなかったそうです。
字を読むことはできないし、住んでいたところが信号もないような山奥だったので、そこから電車を乗り継いで祖母や母のいる町まで会いにきたそうです。
字も読めないし、信号もないような山奥からどうやって来たのでしょう。
分からないから教えてくれって人に言えば、耳から情報が入ってくるし、字が読めなくても目でいろんなものを見れば、情報って入ってきますよね。
多分、自分でいろいろ考えて来たんだろうと思いました。
私たちは調べれば目を通していろんな情報を集めることができますし、分からなければ口を使って人に聞いて、教えてもらうことで耳から情報を得ることができる。
私もライターを続けていくうえで、わからないことやできなさそうなことがいくつも出てきたのですが、人に聞いたり調べたりして行動してきたので、ここまで続けてこられたと思います。
そういった自走力が大事なんじゃないかなと思います。
参加者の声
- 家庭優先で覚悟さえ決めて、得意な分野であれば仕事として成立することが学べました。
- 様々な方と温かい雰囲気の中で交流できて、楽しかったです。
- 一方的にただ聞く、ではなく、双方のやりとりや交流を大切にしてくれることが、すごくありがたかったです。
次回の『STUDIO Tea talk』
『STUDIO Tea talk #04』は10月31日(月)18:30からemCAMPUS STUDIOで開催します。
今回のゲストは、動画制作もできるアナウンサー=クリエイティブアナウンサーの大久保結奈さん。ありがたいことに、すでに定員に達しています。
次回もぜひご期待くださいませ!
emCAMPUS STUDIO
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土曜 9:00 ~ 18:00
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