東三河の生産者を知る!第3弾 鈴木製茶/鈴木克也氏 インタビュー

emCAMPUSと関わりの深い生産者さんへのインタビュー企画第3弾は、鈴木製茶の三代目である、鈴木克也さんです!
鈴木さんは農民藝術創造俱楽部メンバーであり、18歳から静岡県の野菜茶業研究所でお茶の栽培や製造について学んだのち、京都宇治の茶問屋で3年間修行を積み、2012年より鈴木製茶にて、家族とともにお茶の栽培から加工・販売を行っています。
今回は新城市の茶畑にお邪魔し、鈴木さんのこだわりや挑戦について伺いました。

▼生産者さんインタビュー企画第1弾(鈴木農園の鈴木教広氏)の記事はコチラ!
▼生産者さんインタビュー企画第2弾(百年柿園 ベル・ファームの鈴木義弘氏)の記事はコチラ!

Qお茶づくりへのこだわりを教えてください。

一番は無農薬・無化学肥料の有機栽培へのこだわりです。
鈴木製茶は効率を重視した大規模農業とは違った、安心で安全なお茶づくりに取り組んでいます。通常お茶は収穫できるまで4~5年かかりますが、有機で育てるとさらに2~3年は余計にかかります。それでも幅広い世代のお客様に安心して、飲んで頂きたい、という想いから有機栽培でのお茶づくりをしています。

また、新城という土地に対してのこだわりもあります。当園は60年以上前から愛知県新城市でのお茶づくりを始めており、この土地には特別な想いを持っています。新城市の中でも作手(つくで)と呼ばれる地域に当園はあります。作手は標高500mの山間地であり、朝晩
の寒暖の差が大きく、朝霧のたちこめる、お茶の栽培には最適の気候です。そんな土地の恵みをいただきながら、大切にお茶を育てています。
当園のロゴはふわりと羽ばたくフェニックス(不死鳥)がモチーフです。新城のイニシャルである「S」を表しつつ、新城作手の土着的な生命力とそこから生まれるお茶を、ふわりと伝えたいという想いも込めています。
また、フェニックスは数百年に一度生まれ変わり、伝統を守っていく役割を担っている伝説の生き物です。自分も先代が大切にしてきた事を守りつつ、新しいことへの挑戦をしていこうという意味を込め、デザインを作りました。

Q現在の挑戦について教えてください。

自分の農園だけではなく、外部の方とのコラボレーションも積極的に挑戦しています。
例えば、同じ新城市内でシナモンの木を育てている方とコラボレーションし、シナモンと紅茶をブレンドしたスパイスティーを販売しました。
普段ほうじ茶を作るために使っているほうじ機でシナモンの葉を乾かして紅茶とブレンドしています。ほうじ機でシナモンの葉を炒っているのは日本でも当園だけではないでしょうか。当園では玄米やお米もほうじ機で炒っていますが、機械のメーカーに問い合わせをしても、事例が無いからわからないと言われてしまったこともあります。また、最近は中国茶や台湾茶を飲むことにハマっています。ゆくゆくは製茶してみたいと考えており、ウーロン茶は2~3年前から製茶を始めています。お茶を有機で栽培すると収穫まで7~8年はかかりますので、流行を追いかけていてはどうしても後手に回ってしまいます。コラボレーションによる多様な商品ラインナップに加え、幅広い品種を栽培できるように、日々挑戦しています。

Q農民藝術創造俱楽部に参加したキッカケや取り組みを教えてください。

地元の農家さんとは関わりがありますが、田原や豊橋など他地域の農家さんとの出会いが無かったので、そういった方々との関わりが欲しく、参加しています。
屋上農園では、青心烏龍(ウーロン茶用の品種) みなみさやか(宮崎県が作った品種) サンルージュ(赤やピンクの色が出る加工用の品種)といった、珍しい品種の栽培をしています。生育を観察し、良いものであれば畑に持ってきて本格的な栽培に取り組もうと考えています。

Qお茶業界が抱える課題について教えてください。

農業全般に言える事ですが、農協や補助金頼りになってしまい、自分の資金で経営していないと、力が入りにくい部分もあるのではないかと感じます。自己資金で経営し、リスクを自分で背負って取り組むことで、想いも乗ってくるのではないかと思います。また、自分で「販売」まで責任を持ってできるのか。という点も非常に重要だと考えています。当園では、販売イベントに積極的に参加したり、パッケージデザイン等にもこだわっています。お付き合いしているデザイナーさんは単発の繋がりではなく、5~6年一緒に走ってもらっており、デザインはもちろん販売の手伝いもしてもらっています。デザイン一つでもパートナーとしっかり組むことによって商品で語れるモノづくりを心がけています。

販売まで行うとなると当然加工も必要になってきます。当園では同じく新城市内に加工場を設けています。先代から受け継いだ機械を大切に使いつつ、その日の気温や茶葉の状態を常に確認し、機械を調整しながら加工しています。あくまでも小ロットでこだわりきれる量を作っています。現在では加工機器を持っている農園も少なくなってしまいましたが、他と差別化を図り、販売に繋げるために今後も続けていきたいです。加工工程で失敗してしまうと、これまでこだわり抜いたお茶が無駄になってしまうので、毎年機械を動かす瞬間には緊張感が走り、お茶モードにスイッチがはいりますね。

Q今後の展望を教えてください。

最近お茶畑に隣接した栗畑を購入しました。栗の収穫、販売はもちろんの事、栗の収穫体験や農園レストラン等イベントをやりたいと考えています。農業業界として、遊休農地が増え、特定の農家に農地が集まる現象は今後も加速していくと考えています。自分ひとり対応でできる規模は決まっているので、この栗畑の取り組みも作り上げる段階から興味がある人を巻き込みながら進めていきたいです。お茶に限った話でなくても、農業に興味のある人との接点づくりに今後は積極的に取り組んでいきたいです。

▼インタビューを通して

2月の寒い日にインタビューのご協力を頂き、途中に玄米茶を頂戴しました。
綺麗な緑色で、お米の香ばしい香りが広がりとても美味しく、体も温まりました。玄米茶に使用しているお米も日本の棚田百選に選ばれた新城市の四谷千枚田のものを使用しているとのことで、鈴木さんの丁寧なお茶の栽培はもちろん、人との繋がりを大切にしている様子も伝わってきました。今後の展望の箇所でも紹介した通り、農業やお茶に興味のある方との接点づくりに取り組んでいます。鈴木製茶さんでは、一番茶を摘む4月~5月の間で手伝ってくれる方を募集しています。気さくな鈴木さんと交流しつつ、お茶摘み体験ができるまたとない機会ですので興味を持った方は、是非下記担当までお問い合わせください。

問い合わせ :中部ガス不動産株式会社 藤塚 TEL:0532-26-5520