東三河の生産者を知る! 第5弾 Patch Farm/中川 貴文氏 インタビュー
emCAMPUSと関わりの深い生産者さんへのインタビュー企画第5弾は、Patch Farmの中川 貴文さんです!
中川さんは農民藝術創造俱楽部のメンバーであり、様々な品種の野菜が彩りよく並んだパッチワークの様な畑をつくりたいという考えのもと、カラフルでかわいい野菜を年間50種類以上も育てています。
もともとは、化学メーカー業界の会社でお勤めでしたが2015年より地元にて新規就農をしました。野菜作りを始めてからの8年間で、数々の野菜が「野菜ソムリエサミット」の賞を受賞しています。
今回は田原市の野菜畑にお邪魔し、中川さんのこだわりや想いについて伺いました。
Q.中川さんの野菜作りのこだわりを教えてください。
「おいしい・たのしい・うれしい」をキーワードとしています。
食べて「おいしい」を前提として、カラフルな見た目で「たのしい」を表現し、
もらって「うれしい」ように、栽培期間中農薬不使用・無化学肥料で野菜を育てています。
また、自分や家族が食べておいしいと感じたものを、次の年も育てるようにしています。
渥美半島は太平洋に面しており、黒潮の影響で1年を通して温和な気候なので、農業や畜産が盛んです。近くの牛や豚の牧場から分けていただいた堆肥を使用することで、渥美半島内で循環する農業の形を目指しています。
流通している農作物の形には規定がありますが、農作物は成長段階によって様々な楽しみ方があります。例えば、小松菜は「間引き菜→(販売されている)小松菜→菜花」と3つの成長段階があります。「間引き菜」や「菜花」もとてもおいしいのですが、一般には流通していません。
個人のお客様向けに宅配販売を行うことで、普段あまり目にすることのない状態の作物の楽しみ方を提案しています。野菜のセットをご注文頂いた際に、箱の中の3割は様々な成長段階の野菜や、店頭にあまり並ばないサイズのものなどを梱包し、食べ方の説明をお付けして送っています。
お客様が新たな「野菜の魅力」を発見するお手伝いができればよいな、と考えています。
愛知県内ではあまり育てられていない「葉にんにく」を栽培しています。
中華料理、特に四川料理には欠かせない香味野菜ですが、日本では沖縄や四国の一部でしか流通していません。妻の実家がある四国に行った際に食べ、とてもおいしかったので育て始めました。
中華料理屋さんから、年間を通して生産し卸して欲しいとのリクエストを頂いたこともありましたが、葉にんにくは育てられる季節が限られているのでお断りをしました。
Q.現在の挑戦について教えてください。
端境期(収穫できる野菜が少なくなる季節、春と秋)の克服に挑戦しています。
春の端境期の品目は決まりつつありますが、いかに省力化できるかが課題です。
秋の端境期は台風の影響が大きく、品目、栽培方法ともに悩み中です。
何をどうやって栽培するか、試行錯誤することはとても楽しいですが、露地農家は年に一回しか試せる機会がありません。品種、栽培方法ともに2パターン以上は試すようにしています。
例えば、春播き人参は今までマルチを使用していましたが、今年はマルチの有無と新しい品種を入れた4パターンを試しています。
また、就農を考えている方へ向けた農業体験の受け入れも行っています。
農業に興味があるけれども未経験で何をすればよいのか分からない、という方へ向けた“本気”の農業体験です。スタッフの一人として一緒に作業をしてもらっています。
観光半分では無く、本気で農業に挑戦したいという方に来ていただくようにしています。
インタビューを通して
取材にお伺いした際、ご家族の皆様にお出迎えをしていただきました。
一緒に畑に移動し、ご夫妻から野菜や畑に関してお話を伺っている中、お子様たちが畑で遊んでいる光景を思い出します。農業に挑戦し、ご家族と一緒に畑を作っている中川さんが大切にしていることが、その光景から感じられました。
今回取材させていただきました中川さんは、2023年3月25日(土)にemCAMPUS FOODにて開催されるイベント「Farmers Collection@emCAMPUS FOOD Vol.05」に出演される予定です。
生産者が作る、生産者ならではのご飯~生産者ご飯~。
中川さんはどのような料理をご紹介してくださるのでしょうか。
ぜひ、参加して体感してみてください。
▶「Farmers Collection@emCAMPUS FOOD Vol.05」のご予約はこちら
過去の生産者さんのインタビューはこちら
▶第1弾 鈴木農園/鈴木教広氏
▶第2弾 百年柿園 ベル・ファーム/鈴木義弘氏
▶第3弾 鈴木製茶/鈴木克也氏
▶第4弾 らでぃっしゅ屋/富永光昭氏