既知を疑いそもそもを問い続ける! 「カラダで学ぶデザイン思考」研修レポート
2026年7月2日、 emCAMPUS STUDIO にて地域の若手からマネジメント層の皆さんを対象とした emCAMPUS 研修「カラダで学ぶデザイン思考」を開催しました。
変化の激しいビジネス環境において「顧客起点」の重要性が叫ばれています。しかし、つい従来のやり方や慣れた視点にとらわれてしまう方も多いのではないでしょうか。今回の研修には、そうした現状を打開して価値創造のきっかけを掴みたいと考える地域の仲間が集まりました。
左脳と右脳で描き分ける! 「飲料水ペットボトル」から学ぶデザイン態度
前半のセッションでは、株式会社 RW 代表取締役の稲波 伸行氏を講師に迎え、「デザイン態度」についての講義が行われました。稲波氏は「世界を1ミリでも良くしたい」という想いを持って、地域に根ざした事業開発やブランディング、人材育成に携わっています。
講義のなかで特に強調されたのが、既知の事柄に意識を向け、改めて問い直す「そもそもを問い続ける姿勢」です。
最初のワークでは、普段からよく目にする「飲料水ペットボトル」を対象に、まずは「左脳デッサン」に挑戦しました。これは、対象物の形を描くだけでなく、商品名や容量といった自分が普段いかに既知の言葉や情報(データ)で対象を見ているかを可視化(デッサン化)する試みです。描き終えたあと、どのようなことに気付いたかを全体で共有し、自分たちの「いつもの見方」を客観的に振り返りました。
続いて、稲波氏による短い講義を挟み、今度は「右脳デッサン」に取り組みます。これは、先入観を取り払い、対象そのものを全体的・立体的につぶさに観察する「デザイナーのものの見方」を体験するワークです。 光によって生まれる影、表面への写り込み、透けて見える向こう側の景色などを純粋に捉えて鉛筆を動かします。これにより、参加者の皆さんは自身の先入観を外し、物事の本質や顕在化していないニーズ(インサイト)を見つけるための新しい視野を養いました。


粘土をこねてアタマを動かす! 「正解のない問い」に挑んだデザイン思考の実践
本研修の最大の特長であり、他の研修と大きく異なるのが、後半に行われたワークショップ形式のパートです。
用意されたお題は、『のむもののかたち』。
参加者の皆さんは、この抽象度の高いお題に対して自ら「課題定義」を行い、軽量樹脂粘土を使ってプロトタイプ(試作品)を作成するワークに挑みました。 この「観察・課題定義・アイデア・プロトタイピング・検証」というデザイン思考のプロセスを、今回は「2回転」させています。あえてプロセスを2回繰り返すことで、1回目と2回目で自身のアウトプットがどう変化するかを実感し、デザイン思考を体験的に理解してもらうことがねらいです。
最初は「どういうこと?」とお題の難しさに戸惑う場面も見られました。しかし、チームメンバーと活発に意見交換を進めたり、粘土を触ってこねているうちに、思考が整理されていく様子がみられました。 各々が考える課題の解決策に向けて、まさにカラダとアタマをフル回転させました。完璧な計画を練るよりも「とにかくやってみる」の精神で、楽しみながら、試行錯誤を繰り返す皆さんの姿がとても印象的でした。




おわりに
本研修を通じて、参加者の皆さんからは 「前提を問う姿勢の大切さに気付いた」 という声が多く寄せられました。普段の業務においても 「なぜ行うのか」 という背景を常に理解した上で取り組むことは、新しい価値を生み出す第一歩になります。
また、デザイン思考のプロセスを素早く回転させるアプローチは、現代のビジネスに求められるアジャイル(俊敏)な働き方にも通じるものです。一人で抱え込んで作り込んだ結果を上司に見せるのではなく、早期に目的や方向性を合意し、まずは 「たたき案」 で意見交換を重ねながらブラッシュアップしていく。こうした実践的な仕事の進め方へのヒントを、多くの参加者が持ち帰る機会となりました。
デザイン思考は一朝一夕で身に付くものではありません。しかし、参加した皆さんが今回の学びをきっかけに、それぞれの現場で継続的な実践と学習を進めていく兆しが感じられました。
emCAMPUS STUDIO では、価値創造のスキルを高めるワークショップのほか、越境学習やネットワーキングにつながる異業種交流型の研修・まなびプログラムを 1年を通じて開催しています。ご興味のある方、企業や団体の人材育成担当の方はぜひ下記までお問い合わせください。
サーラコーポレーション人事戦略部サーラまなび共創センター sala-hrd@sala.jp
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